日本に台風が多く発生する理由とは?前田裕幸さんに聞いてみた
最終更新日 2024年12月13日 by ahoboke
日本に台風が多く発生するのはなぜか
日本では毎年のように台風のニュースが聞かれますが、なぜこんなにも日本には多く発生するのだろうと思う人も多いかもしれません。
近年では異常気象によって、台風が発生する時期も異なりが見られるようになりました。
以前までは夏の時期に多く発生することが多くみられていましたが、近年では梅雨前に発生したり、夏の終わりの10月ごろにも発生したりと、被害のニュースを聞くことも多くなってきています。
そもそも台風の定義としては、熱帯低気圧、もしくは熱帯低気圧が発達し、風速が最大17メートル以上になったものを指します。
気圧や台風の目が形成されているかどうかは関係なく、風速により判断がなされます。
また上空の風に流されて動くという性質があります。
そのため地球の自転の影響により、北にむかう特徴も持ち合わせています。
通常であれば、東風が吹いている赤道に近い、主に熱帯地域では、西へ流されながら次第に北上する傾向にあります。
上空で強い偏西風の吹く日本のような中緯度や高緯度の地域になると、はやい速度で北東へ進んでいくということです。
日本に多く発生する理由としては、地理的な要因が大きくかかわって来るでしょう。
原型ともなっているものが低気圧となりますが、日本の南東の海上では、熱帯や亜熱帯低気圧が数多く出現しやすい状況です。
また発達しやすい場所でもあることから、これが発達し、上空の風の流れに乗り、日本に上陸するということになります。
一般的に日本に発生する時期としては、8月から9月が一般的です。
しかししかし実は、夏場だけに限らず、春や秋、冬などの他の季節にも発生しています。
地理的な要因や特徴がある
日本の南側の赤道に近い熱帯の海あたりでは、強い太陽が照りつけて、常に気温が高い状態にあります。
この地域では一年中台風が出現しています。
しかし季節により風の流れも異なるので、ほかの時期にはフィリピンや中国南部、ベトナムの方へ流れて行く特徴があるので、日本にはあまり上陸しないということです。
これが夏になると、日本は太平洋高気圧が強まる傾向にあります。
この高気圧が南から日本を覆うように強まることから、これが大きな壁のような役割を果たし、日本には近づけない状態となっています。
しかし夏の終わりにかけて、この気圧が弱まってしまうと、北東へ進む際に日本に近づくことが多くなって、日本に上陸しやすい状態を作り出してしまいます。
反対に冬になると、日本は冷たい寒気の層でおおわれることになるので、再び来られない状態になります。
実は一年中発生しているものの、日本には太平洋高気圧が弱まった時期にしかくる状態ができないので、この時期に集中して上陸するということがわかります。
日本に発生することが多いような気がする人も多いかもしれませんが、実は国レベルで見た時には、中国や台湾、東南アジアの地域も、実は被害が発生しやすい国と言えます。
また世界中の熱帯の海では、同じような熱帯の低気圧が発生している特徴があります。
この低気圧が発達したものの名前は、その地域により名前が異なります。
北太平洋や北大西洋などであらわれたものはハリケーンと呼んでいます。
またインド洋で発生したものはサイクロンです。
年間を通して発生しやすい環境にある
どれも発生する場所が異なるだけであり、強い風が吹き、強い雨が降ることは同じですが、呼び方が違うということです。
毎年1月1日以降に発生した台風のことを、気象庁が第1号と名付けています。
そこから順番に第2号、第3号というように、発生する順番に合わせて番号が付けられます。
以前までは、アメリカが英語の名前をつけていましたが、これが2000年から変更となりました。
北西太平洋、もしくは南シナ海の領域で発生したものに関しては、同領域内のそれぞれの国の委員会があらかじめ決めているその国の言葉での名前が使われるように変わったのです。
140個の名前が順番に使われ、その後は再び1回目の名前に戻って、その順番を繰り返していきます。
年間で発生する数の平年値は25個ほどなので、約5年間もすると名前が一巡するということになるでしょう。
名前は繰り返して使用されることになりますが、あまりにも大きな災害をもたらしたものの場合には、加盟国からの要請を受けたうえで、その名前をそれ以降に使用しないように変更することも見られます。
日本語名に関しては、はるか昔に航海士が星座をもとにして方角を知ったことから、星座名がつけられている特徴があります。
日本語名としては、てんびん座ややぎ座、ウサギ座などが日本の順番の際には呼ばれることになるでしょう。
このように日本に多く出現する理由としては、その地理的要因が関係していることがわかりました。
近年では異常気象によって、なぜこのような時期に発生するのだと、季節外れのものも増えてきています。
1年を通して被害にあいやすい環境に変わってきているということを認識し、日頃から備えをすることが大切です。