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福島復興と生活者支援@アトックスまとめ

最終更新日 2024年12月13日 by ahoboke

国や自治体が進めている復興事業

2011年3月の東日本大震災は、自然災害が多いといわれる日本列島の歴史のなかでもとりわけ甚大な被害をもたらしたものといえます。

発端は三陸沖で発生した東北地方太平洋沖地震ですが、これはモーメントマグニチュード9.0クラスという観測史上最大のものであって、地震の揺れは東北地方を中心に震度7を計測したところもあり、関東地方やその他の地方でも同様に通常では想定されないような震度となっています。

地震で家屋が倒壊するなどの被害はもちろんあったわけですが、それに輪をかけて巨大津波が発生したこと、さらには原子力災害が引き起こされたことも、被害を大きくした原因でした。

特に被災地域が広範にわたり、対象人数も膨大であったことから、避難だけでもかなりの労力が費やされ、なかには避難生活での心身の疲労やそれにともなう病気がもとで命を落としてしまう、いわゆる震災関連死のほうも、地震や津波を直接的な原因とする死因と同等程度に多かったことは記憶に留めておくべき課題です。

このような厳しい現実を教訓としながら、震災でもっとも大きな被害をこうむった福島地域では、国や自治体が率先して復興事業を進めており、とりわけ生活者支援は重要なテーマとなっています。

 

生活支援で出来ている事

福島県内でも太平洋に近い浜通り地方では、原子力災害によって放射性物質が広域に拡散し、空間線量率が高い地域が多かったことから、生活に支障のある地域として原子力災害対策特別措置法にもとづき避難指示区域が設けられ、これまでその地域に代々にわたって住んできた人たちが強制的に別の場所での生活を余儀なくされる事態となりました。

これらの人々には行政によって仮設住宅が用意されたものの、あくまでも仮住まいであり、もとの生活と比較すればいちじるしく不便を強いられていることはまぎれもない事実です。

そこで復興再生特別措置法の規定により、計画的に避難指示を解除して、立ち入りがこれまで禁止されていた地域でも安心して住めるように町並みを整備する復興事業が行われました。

この区域には新しく完成した市役所の庁舎をはじめとして、医療機関や商業施設、公営住宅などが集中していますので、一定のレベルでもとの生活とも遜色のない生活を送ることが可能です。

もちろんいつかは福島に帰宅したいと考えている人であっても、情報不足から不安になって遠く離れた避難先での生活の継続を選択する人も多いはずです。

したがって生活支援とはいっても、もとの場所に戻った人たちを対象とするメニューと、現在は避難先で生活している人たち向けのメニューの両方をにらんで立案しなければなりません。

避難先の人たちに向けたメニューでは、生活再建支援拠点を福島県外の主要なポイントに整備して、面接その他の方法で帰宅に向けた相談や情報提供ができるようにしているほか、現地交流会などの事業も行っています。

県内の場合には精神保健福祉士などの有資格者を中心として、こころのケアセンターを設置し、被災した人々の住まいを戸別訪問することによって、精神的な負担の軽減を図っています。

 

被災地のサポートや医療分野の地域発展に取り組んでいる

また高齢者サポートのための拠点づくりも行われており、生活相談などに専門のスタッフが随時対応しているほか、健康教室などの閉じこもりを防止したり、コミュニティの形成にも役立つような事業を開催しているところです。

これは復興住宅などに入居して福島での新たな生活をはじめた人たちに対しても同様か、さらに手厚い支援となってあらわれており、高齢者以外の住民までも含めて、失われたコミュニティがふたたび盛んとなるようにするため、コミュニティ交流員などの特別なスタッフを現地に配置しています。

したがって交流の場作りや具体的な事業やイベントの企画立案などは、このような専門的なスタッフを中心に担われているといってもよいでしょう。

生活者支援のなかでも具体的なニーズが高い医療分野では、休日夜間までを含めた年中無休の病院が開院しています。

高度医療の拠点としてさまざまな機器や施設が整備されているのはもちろん、緊急搬送用のヘリポートなども併設されました。

周辺の大学病院などとの提携関係もあり、福島定住にあたっても支障がないように配慮されています。

ほかにも付属の診療所なども開設されており、こちらは高度医療というよりもかかりつけ医の感覚で、身近な地域でちょっとした病気や健康不安に対応できるようにしているのがポイントです。

いずれにせよ津波や地震で地域の医療機能は大きなダメージを受けたことから、生活支援のなかでも医療分野は重要性が高く、今後とも取り組むべき課題として認識されています。

患者の緊急搬送にも使えるほか、日常的な買い物などの生活レベルでも重要性が高い道路ネットワーク関連では、三陸沿岸を南北方向に結ぶ三陸沿岸道路を復興道路として位置づけ、2020年度開通目標で急ピッチで建設作業が進められてきたところです。

そのほかにも東西方向の肋骨道路もこれとあいまって整備が進められ、ふたたび災害があった場合の避難も容易で、なおかつ普段の生活にも使えるオールマイティーな道路が誕生しつつあります。

出典元:アトックスが求めている人物像とは?